地方税・財源の充実に関する要望

公開日 2007年05月30日

『三位一体改革の総括』
我々中核市は、制度発足以来、圏域の中核たる都市自治体として、多様な市民ニーズに応えるべく、その権限を最大限活かした行財政運営に取り組むとともに、不断の行財政改革を行ってきた。平成18年度までに実施された三位一体改革においては、3兆円規模の税源移譲がなされたことは評価できる。しかし、国庫補助負担金改革では、税源移譲額を上回る5.2兆円の廃止、縮減等が行われ、税源移譲に結びついたものでも、児童手当など地方の裁量の余地が少ない義務的性質にかかるものや、補助負担率の削減がなされただけで国の関与が残ったものが多く、地方の自由度が高まったとは到底いえないものとなった。さらに、5.1兆円の地方交付税総額が削減され結果的に自治体間格差の拡大を招いたうえ、国の財政再建を優先した格好となっており、財政運営は極めて厳しい状態に置かれている。

 

『国と地方の役割分担に基づく財源確保』 
その中で、本年度施行された地方分権改革推進法のもと、国と地方の担うべき役割、国の関与等について、今後議論がなされていくこととなる。我々が、都市自治体として責任を持ち、創意工夫し、真に自立した行財政運営を行うためには、都市の特性を活かせる権限の移譲とともに、それに見合った適切な税財源の確保が不可欠である。そのため、地方自治体との協議、連携を密にし、決して国の財政再建の手段として利用されることのないよう、国から地方へのさらなる税源移譲など、中核市の権能に応じた税財源が確保できるよう推進すること。

 

『地方交付税のあり方』
また、地方分権を進めていく中で、我々基礎自治体には福祉や教育など、いかなる事情があっても一定水準の質が保たれるべき市民サービスが存在する。このた め、地方交付税が有する財源保障・財源調整機能は、地方固有の財源として、地方六団体の提言する「地方共有税」としたうえで堅持すべきものであると考える。
本年度の算定における改正点である、
1.算定項目の簡素化については、都市自治体の行政需要が的確に反映されるよう、所要の措置を講ずること。

 

2.「頑張る地方応援プログラム」については、その目的に一定の理解はするものの、国が政策優先順位をつける形で関与するため、地方固有の財源である地方交付税を原資とすることは適切とはいえず、地方の自主性を尊重するという地方分権の趣旨も踏まえ、見直す方向で検討すること。

 

 

以上要望する。

地方税

田上中核市市長会会長から菅総務大臣に要望書を提出
〔写真:左から、田上会長(長崎市長)、鈴木前会長(豊田市長)、
菅総務大臣、細江副会長(岐阜市長)〕

 

 

平成19年5月30日


中核市市長会

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