義務教育制度に関する要望

公開日 2006年11月07日

中核市は、制度発足以来、地方分権の推進に大きな役割を果たしてきたところである。
今後とも、改革の先駆的な役割を担い、一層の分権型社会の構築に向けて、地方と国の役割分担を明確にする中で、中核市にふさわしい権限移譲を求め、自らの 権限と責任による地域社会の構築、自主・自立の都市の創造に積極的に取り組んでいく考えである。
とりわけ、教育再生が大きくクローズアップされている現在、地方自治体の創意工夫や地域の教育力を生かして教育の活性化を図り、地域の実情にあわせた教育 行政を積極的に展開できるよう、義務教育においても地方分権を踏まえた構造改革が必要である。
国におかれては、地方の意見を真摯に受け止め、次の事項を実現するよう強く求めるものである。

 

 

1. 県費負担教職員の人事権の移譲について
 
中核市が主体的に創意工夫し、特色ある質の高い義務教育を実現するとともに、 地域の教育に熱意を持って取り組む優秀な人材を育成・確保するためには、既に移譲されている研修権だけでなく速やかに人事権を移譲することが必要不可欠で あり、そのための具体的なスケジュールを早期に明らかにすること。

 

2. 人事権に係る財政措置及び広域的人事交流について
 人事権移譲に当っては、人事権に係る経費の確実な財政措置に加え、広域的な人事交流も行える仕組みとすること。
 なお、広域人事交流は、地域の実情に応じた弾力的な運用を図ることができる仕組みとし、そのための協議会等は、都道府県と人事権を有する市が対等な立場で協議できる場とすること。

 

3. 給与負担及び学級編制・教職員定数に関する権限の移譲について
 人事権と給与負担は、本来一致すべきであり、適切な財源措置と併せ、給与負担についても早期に移譲を検討すること。
また、給与負担制度の見直しに当っては、学級編制と教職員定数は密接にかかわりがあることから、学級編制・教職員定数に関する権限についても併せて移譲を検討すること。

 

4. 教育委員会制度について
 骨太方針2006において、「教育委員会制度については、十分機能を果た していない等の指摘を踏まえ、教育の政治的中立性の担保に留意しつつ、当面、市町村の教育委員会の権限を首長へ移譲する特区の実験的な取組を進めるととも に、教育行政の仕組み、教育委員会制度について、抜本的な改革を行うこととし、早急に結論を得る」とされたところである。
 こうした中、本年9月15日、構造改革特区の第9次提案等に対する政府の対応方針と、その具体的なスケジュールが示され、地方公共団体の判断により、首 長が担当できる権限の拡大が図られるなど、義務教育における改革が進められようとしているが、更に、抜本的な構造改革に向けて、国と地方の協議の場を設け るなどして、早急に具体的な検討を進めること。

 

平成18年11月7日
中核市市長会

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