生活保護費負担金の負担率の引き下げに対する意見

公開日 2004年08月13日

生活保護は、国民生活の最低限の保障をなす制度であり、格差なく国による統一的な措置が望まれる分野の最たるものであると認識している。

 このような考え方から、昨年来、全国市長会をはじめ、中核市連絡会においても生活保護費負担金の負担率の引き下げに対しては、反対の意見表明を行ってきたものである。

 しかしながら、おりしも国庫補助負担金の廃止・縮減に向けて地方の意見を取りまとめている最中に、「三位一体の改革」の一環として生活保護費負担金の負 担率の引き下げが検討されているということは、誠に遺憾の極みといわざるをえない。

 「三位一体の改革」は、地方の権限と責任を大幅に拡大し、地方分権型の新しい行政システムを構築していくという考え方にたって進められるべき ものであり、単に国の負担を引き下げて地方へ転嫁するという手法は本来 想定されていないはずである。

 また、負担率の引き下げの背景として、地方の負担を増やすことで不要な給付が抑えられる効果を見込んでいるとの報道が一部なされているが、昨今の国内景 気の状況から生活困窮者は依然増加しており、このことが生活保護者の増加傾向を強めていることも一因として考えられ、決して安易な審査のもとに保護の開始 がなされているものではない。

 以上の理由から、生活保護費負担金の負担率の引き下げについては、改めて断固反対の意見を表明するとともに、併せて生活保護者の自立支援の強化をはじめ とした生活保護事業そのものの改革と、地方の景気回復に向けた一層の施策など、生活保護者そのものの減少のための国における対策を要望するものである。

 

平成16年8月13日

 

 

中 核 市 連 絡 会

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