
中核市の概要
全国には、人口1,000人以下の村から100万人を超える大都市まで約1,700の市町村があります。しかし、これらの市町村は、政令指定都市を除き、法律等によって、ほとんど同じような事務権限が認められていました。そこで、政令指定都市以外で人口20万人以上の要件を満たす規模や能力などが比較的大きな都市の事務権限を強化し、できる限り住民の身近なところで行政を行なうことができるようにした都市制度が中核市制度です。
※中核市制度以外の都市制度
政令指定都市
政令指定都市は、大都市特有の行政ニーズに対応し、総合的な行政運営を行えるようにする趣旨のもとに創設されました。
人口50万人以上が指定要件とされていますが、実際は人口その他都市としての規模、行政能力、機能が既存の政令指定都市と同等の実態を有する都市が指定されています。
(平成28年4月1日現在20市)
特例市(平成27年4月1日より特例市制度廃止)
特例市は、都市の事務権限を強化しできる限り住民に身近なところで行政を行うことができるようにしようという趣旨のもとに創設されました。人口20万人以上が指定要件とされていましたが、平成27年4月1日より 特例市制度は廃止され、事務は中核市制度に統合されました。
中核市が処理する主な事務
保健衛生に関する事務
- 保健所の設置
- 飲食店営業等の許可
- 温泉の利用許可
- 旅館業・公衆浴場の経営許可
福祉に関する事務
- 保育所の設置の認可、監督
- 養護老人ホームの設置の認可、監督
- 介護サービス事業者の指定
- 身体障害者手帳の交付
教育に関する事務
- 県費負担教職員の研修
環境に関する事務
- 一般廃棄物処理施設、
産業廃棄物処理施設の設置の許可 - ばい煙発生施設の設置の届出の受理
まちづくりに関する事務
- 屋外広告物の条例による設置制限
- サービス付き高齢者向け住宅事業の登録
中核市制度の経緯
平成元年7月17日
全国市長会が、人口30万人以上の都市及び都市機能の集積度や圏域における拠点性が高い都市に対し、政令指定都市に準じた事務配分を行なうべきと提言
平成元年12月20日
第2次臨時行政改革推進審議会が、地域に中核都市として人口規模その他一定条件を満たす市に対して、地域行政に関わる事務を中心に都道府県の事務権限を移譲すべきと提言
平成元年12月29日
第2次臨時行政改革推進審議会の趣旨に沿い、地域中核都市の具体化を図ることを閣議決定
平成3年7月4日
第3次臨時行政改革推進審議会が、内閣総理大臣に対し、地方制度調査会での積極的取組みを期待する旨を答申
平成5年4月19日
第23次地方制度調査会が内閣総理大臣に対し中核市制度創設を答申
平成6年6月22日
地方自治法の一部を改正する法律案等成立(中核市制度法制化)
平成6年6月29日
地方自治法の一部を改正する法律等公布
平成6年12月21日
中核市制度関係政令公布
平成7年4月1日
地方自治法の一部を改正する法律等施行(中核市制度発足)
平成11年7月8日
地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律成立
(平成11年7月16日公布、平成12年4月1日施行。人口30万人以上50万人未満の市に対する昼夜間人口比率要件廃止)
平成14年3月28日
地方自治法等の一部を改正する法律成立
(平成14年3月30日公布、同年4月1日施行、人口50万人以上の市の面積要件を廃止)
平成18年6月7日
地方自治法の一部を改正する法律成立
(平成18年6月7日公布、同日施行、面積要件を廃止)
平成26年5月23日
地方自治法の一部を改正する法律成立
(平成26年5月30日公布、平成27年4月1日施行、中核市指定要件を「人口20万人以上の市」に変更)