公開日 2009年05月21日
地方財政運営に関する要望
金融危機に端を発した世界的な景気後退は、わが国にも深刻な影響をもたらし、我々中核市をはじめ地方自治体は税収が大幅に減少するなど非常に厳しい財政運営を余儀なくされている。
こうした中、政府においては平成20年度補正予算に続き、21年度補正予算においても最大規模の「経済危機対策」を打ち出すとともに、地方自治体への財政支援を含めた地方活性化策を講じていることは一定評価できるものである。
しかし、先の三位一体改革で実施された地方交付税の大幅な削減、国庫補助負担金の改革により逼迫した地方自治体の財政は厳しさを増し、さらに、住民の行政に対する要望の多様化や社会構造の変化、地域の活性化など地方自治体の財政需要は増加の一途をたどっている。
また、地方分権改革推進委員会においては、第3次勧告に向け、義務付け・枠付けの見直しから税財政改革まで幅広い検討がなされている。
政府においては、このような状況に鑑み、今回の経済対策での地方自治体への臨時的な支援にとどまることなく、以下の事項について、早期かつ積極的に措置を講じられるよう要望する。
1 地方自治体が自立した行財政運営を行い、増加する行政サービスへの需要に的確に対応するためには、地方自治体の財政自主権を拡充し、偏在性の少ない安定的な地方税体系を構築することが必要である。
したがって、三位一体改革において実施された国庫補助負担金改革、税源移譲は道半ばであるとの認識のもと、当面の国と地方の税源配分「5:5」の実現と偏在性の少ない安定的な地方税体系を構築し、地方自治体の事務と責任に見合う財政基盤を確立できるようにすること。
また、三位一体改革により大幅に削減された地方交付税を復元、増額し、低下した財源調整、財源保障機能を回復させること。
2 地方分権改革の議論において、地方自治体を「地方政府」と呼ぶにふさわしい存在に高めるため、自治行政権、自治立法権に加え、自治財政権を十分に具備し た完全自治体に近づけることが必要であるとされており、特に我々中核市は、圏域の中心として多様な役割を期待されている。このため、自らの責任で効率的な 自治体経営を行えるよう分権型社会にふさわしい役割に見合った税財政制度を構築すること。
以上要望する。
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漆間巌内閣官房副長官に要望書を提出 |
中央:細江会長(岐阜市長)、津村副会長(宮崎市長)、佐原副会長(豊橋市長) 羽田監事(福山市長)、田上顧問(長崎市長) |
平成21年5月21日
中核市市長会