真の地方分権改革の実現に関する要望~分権型社会の構築に向けて~

公開日 2008年11月12日

 分権型社会に向けては、地域において自己決定と自己責任の原則が実現されるという観点から、「地方が主役」となることのできる分権改革が進められなければならない。
  中核市市長会においては、住民が自らの地域づくりに参画し、いきいきとしたコミュニティを築くための住民自治の確立を図る一方で、住民に最も身近な基礎自 治体として、自治権の拡充のための事務権限及び財源の移譲や、国と地方の役割分担の明確化により、地域が自らの意思で地域に必要な政策を速やかに実行でき る仕組みづくりが必要であると考えている。
 しかしながら、地方分権改革推進委員会の勧告等への各府省の対応並びに示された見解等は、依然として消極的で満足のいくものではなく、真の地方分権改革の実現に不安を抱かせるものである。
 そこで、中核市市長会では、真の地方分権改革が実現され、地方の多様な価値観や地域の個性に根ざした豊かさを実現する住民本位の分権型社会の構築に向けて下記の4項目を強く要望する。

 

1.    第二期地方分権改革については、各府省の個別の判断に委ねることなく、内閣総理大臣の強いリーダーシップのもと、地方分権改革推進委員会の勧告等を最大限 に尊重して、地方の意向を踏まえ、地方分権改革推進計画を策定し、早期に「新分権一括法(仮称)」を制定すること。

      
2.    基礎自治体への権限移譲については、住民に身近な事務事業を地域において総合的・一体的に遂行できるよう、包括的に行うとともに、税源移譲等による適切か つ確実な財政措置を講じること。特に、県費負担教職員の人事権については、中核市へ移譲し、併せて人事権者と給与負担者の一致を実現すること。
      
3.    基礎自治体の自主性を強化し、政策や制度の問題を含めて自由度の拡大を図る上で障害となっている国による義務付け・枠付け、関与については、大胆に廃止・ 縮小すること。また、国の出先機関の見直しについては、二重行政の解消等、国と地方の行政の簡素化・効率化を推進する観点から、抜本的な改革を行うこと。
      
4.    道州制のあり方に関する検討に当たっては、基礎自治体の権限強化と財源確保を最大限に図るなど、地方分権改革を着実に推進し、住民本意の分権型社会の実現を前提とするとともに、地方自治体を巻き込んだ幅広い議論を行うこと。

 

平成20年11月12日
中核市市長会 会 長 長崎市長   田上 富久

 

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