教育施設行政への関与の実態と見直し

公開日 1997年04月01日

長寿社会の到来や余暇時間の増大とともに価値観の多様化が進むなかで、住民の芸術・文化活動、スポーツ・レクリエーション活動、更にはボランティア活動など、様々な分野にわたり住民の学習意欲・参加意欲の高まりがあらわれています。とりわけ、中核市においては様々な階層の人々が多く暮らしていることなどから、このような傾向は特に顕著であり、住民の多種多様なこれらのニーズに応えるため、公民館、図書館などの社会教育施設の施設整備を、設備等の内容の充実を図りながら積極的に進めなければなりません。
更に、中核市においては、都市部における児童・生徒の減少に伴う学校教育施設の社会教育施設への転用など、社会の変化に応じた資産の有効活用を図らなければなりません。そこで、これらの面においても、国庫補助金の弾力的な運用を図り、より一層地方公共団体の主体性に基づく円滑な事業運営ができるようにすべきであります。
 


事例1:学校施設の転用に係る手続の簡素化

小学校、中学校などの教室に余裕教室などが生じた場合には、コンピューター室などの学校教育の新たな課題に対応するための転用のほか、地域住民のための集会室、生涯学習施設や防災施設への転用など、地域の実情に合わせた施設への有効活用が図られなければなりません。
しかし、「補助金等に係る予算の適正化に関する法律」により、国の承認又は報告が必要とされており、一定の範囲の転用は手続の簡素化が図られているものの、実際は県又は国の担当者による事実上の事前協議が義務付けられています。そこで、学校施設の転用については、住民に身近な行政を担う市町村の適切かつ自主的な判断を尊重する方向で、このような事前協議の在り方等国の関与の見直しを図るとともに、より簡易な報告にするなど一層の手続きの簡素合理化を進めるべきであります。